No.21(インド古代国家A)  : 

「ヒンドゥー教がグプタ朝に成立した理由とは何か?」     

グプタ朝では、前のヘレニズム的な要素の強いイラン系のクシャーナ朝とは違い、
インドの伝統に戻って再びバラモン教が重視された。そして民間で信仰されていた
ヴィシュヌ神やシヴァ神なども取り入れて、ヒンドゥー教が成立した(3代目で全盛の
国王チャンドラグプタ2世の時)。その際に定着したカースト制度が今もインドに残っ
ている。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
「インド人の宗教」を意味する、ヒンドゥー教の成立事情について関心を持ち、意欲的
に追究しようとしている。

思考・判断:

前王朝のクシャーナ朝を否定することで、自らの正統性を強調するグプタ朝の時代だ
からこそ、伝統的なバラモン教を中心としたヒンドゥー教が成立することの歴史的意義
を、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
シヴァ神やヴィシュヌ神の図像を見ることにより、ヒンドゥー教に対する視覚的なイメー
ジを高めている。

知識・理解:

憲法で禁じられているにもかかわらず、今日でも根強く残っているインドのカースト制
度の定着が、ヒンドゥー教に直接起因するものであることを理解している。